コラム

会社の成長に年齢という区切りは不要、採用担当者と転職成功者が語るシニア転職・採用の魅力とは。(前編)

  • 転職成功者の声

大手信託銀行で不動産事業に従事し続けたキャリアを持ちながら、セカンドキャリアとして54歳で金融畑とは異なる業界である、

店舗流通ネット株式会社(以下、店舗流通ネット)への転職を成功させた見武さん。

そして、店舗流通ネットにて、新卒採用担当を経て、現在中途採用を担当されている渡辺さん。

今回はシニア転職をする上で大切なことや、想いについて転職者目線・採用担当者目線それぞれのお話を伺っていきたいと思います。

 

■見武さん(インタビュイー)

2020年9月店舗流通ネット株式会社入社。

大手信託銀行にて、様々な金融業務を経験。うち13年間は不動産事業に従事。セカンドキャリアとして54歳で転職を決意。

 

■渡辺さん(インタビュイー)

店舗流通ネット株式会社、人事課所属。

3年間、同社の新卒担当を経て、現在は中途採用担当に従事。

 

■目次
1.転職者から見る「シニア転職」の魅力とは?
①.見武さんの転職までのご経歴
②.ご転職のきっかけ
③.店舗流通ネットでの仕事内容や職場の雰囲気
④.コロナ禍での転職活動
2.店舗流通ネット採用担当者から見る「シニア人材採用」の魅力とは
①.ご経歴
②.店舗流通ネットがシニア人材採用に積極的な理由
③.採用活動の工夫点
④.今後のシニア採用の展望
3.転職者・採用者から語る「シニア転職・シニア人材採用」の魅力とは
①.シニア転職・採用のメリットとデメリット
②.選考で意識したこと
③.今後の展望

 

〜店舗流通ネットへの転職に成功された見武さんにお伺いします〜

 

店舗流通ネット_転職_成功

 

■見武さんの転職までのご経歴

 

―まず、見武さんのご経歴について教えていただけますか?

 

見武さん:1988年に大手信託銀行に入行し、支店勤務、審査業務、不動産流動化業務、ニューヨーク上場プロジェクトなどさまざまな業務に従事しました。中でも不動産流動化業務が一番長いキャリアで、13年間経験しました。その後、セカンドキャリアを考え始め2020年9月に店舗流通ネットに入社しました。

 

■ご転職のきっかけ

 

-ありがとうございます。銀行員一筋でキャリアを積んでこられたとのことですが、今回転職を検討されたきっかけは何かあったのでしょうか?

 

見武さん:銀行でシニアの社員向けに実施しているキャリアデザインプログラムという公募制度があり、次のキャリアを自分で探すきっかけになる制度です。一般的に、銀行員は、所属してきた会社から提示された形でセカンドキャリアを送る方が多いのですが、このキャリアデザインプログラムは自分で手を挙げて新たな仕事に挑戦できる制度です。私の場合、次のキャリアも自分の判断で選んでいきたいという想いが強かったので、このプログラムに応募しました。

 

-ご自身でセカンドキャリアを決められたのですね。社内では見武さんよりも先にこのプログラムを使った方もいると思いますが、このプログラムを使った人と使っていない人とで、違いを感じることはありましたか?

 

見武さん:働き方の選択肢の幅に差異が生じるように感じました。やはり自らのキャリアは自分で考えて探していこうと思う方の方が、相対的には次のキャリアでの活躍の幅がより広がるのではないかと思います。

 

-やはりご自身のキャリアに対しては積極的に構築をしていくことが重要ということですね。ご転職に対して、ご家族の反応はいかがでしたか?

 

転職_家族

 

見武さん:家族は転職に対して前向きな反応を見せてくれました。先に転職した知人からは家族から理解されることが一番大変だと聞いていましたが、実際には背中を押してくれたので、とても感謝しています。

 

■店舗流通ネットでの仕事内容や職場の雰囲気

 

-では次に、ご転職後の店舗流通ネットでの業務内容について詳しく教えていただけますか?

 

見武さん:店舗事業従事者をターゲットとした出店サポートや、店舗不動産の管理業務に取り組んでいます。私は、AM子会社であるTRNインベストメント・マネジメントにおいて店舗不動産ファンドを新たに立ち上げるチームのメンバーとして加わりました。コンプライアンスを含む社内体制整備、投資家開拓、物件の仕込みなど、店舗不動産ファンドビジネス全般に関わる仕事をしています。

 

-多くの業務に携わるかなり重要なポジションですね。ご転職の前後で業務内容に違いはありますか?

 

見武さん:はい。転職前後で大きく異なるので、転職してからも新しいことを日々勉強しています。もちろん前職での経験が活きる箇所もありますが、実際にやったことがないことも多いので、現在も新たな経験を積んでいる最中です。人生100年時代といわれ、働く期間も長くなっているので、以前から新たなことを学んで習得していく必要があるなという認識もあったので現在のキャリアでも経験を積めるというのはありがたいことですね。

 

-たしかに、今の時代新しいことを常に学ぶことの重要性が高まっていますよね。そのほかに、転職前からギャップに感じることはありますか?

 

見武さん:コロナ禍の影響もあり、想像以上に不動産市場が読みづらいということでしょうか。コロナで多くの空き物件が売りに出て不動産価格が大きく下がるかと思えば、優良物件の価格はなかなか下がらないので、物件の取得は思ったほど進むわけではありません。同様に、投資家探索はコロナの影響で環境が厳しいので見つかりにくい状況です。当社が得意とする店舗不動産はファンドとしては新しいアセットタイプなので、そういう点も含めて投資家が出資を決めるハードルが高いように感じます。

 

-前職でのご経験も活かしつつ、新しいことに取り組まれている分、業務のやりがいはありそうですね。業務以外でハードルに感じることは何かありますか?

 

見武さん:業務以外でハードルを感じたことはないですね。周りの社員は20代の若い方が多いのですが、私と同年代の50代の方々も多く、沢山の意見も飛び交っていて社風はとてもオープンな雰囲気です。

 

店舗流通ネット_オフィス

 

-幅広い年代の方々が働かれているのですね。社風についてさらにお伺いしたいのですが、前職の金融機関の雰囲気とは異なりますか?

 

見武さん:金融機関の雰囲気とはギャップを感じますが、それが苦に感じることはありません。むしろ現在の業務内容であるTRNインベストメント・マネジメントは金融商品取引業者として正確性が必要で厳格な対応を求められるため、金融機関の厳格な雰囲気での経験が非常に活きていると感じます。

 

■コロナ禍での転職活動

 

-ありがとうございます。次に転職活動について教えてください。一般的にシニア世代の転職は難しいと言われていますが、実際はどうでしたか?

 

見武さん:コロナの影響もあり、8~9ヶ月かかってしまったため転職活動自体は確かに世間の評判にあるように厳しかったと思います。また、個人的には、「不動産業務」と「経理/決算業務」という2軸で転職活動をしていたのですが、今から振り返ると、その戦略は逆効果だったなと感じます。自分の経験は米国会計基準の決算業務という少し特殊な職歴でしたし、2軸である分エントリーシートを多く出す必要がありました。

 

-最初は2軸だったところを途中から不動産1軸に絞ったということでしょうか?

 

見武さん:そうです。不動産の方が話の進みが早かったため、途中から不動産のみで進める戦略に切り替えました。おそらく私のキャリアでも不動産の方が経験豊富だったから進みが早かったのかなと思います。

 

-やはり本流のキャリアの方が選考は進みやすいのですね。ありがとうございます。では最後にこれから転職活動をされる方へアドバイスをお願いできますか?

 

見武さん:あきらめずに応募し続けることが大切です。また、職種の軸は絞った方がいいなと自分自身の転職活動を振り返って感じます。これはよく言われることかもしれませんが、企業にあった面接傾向と対策の準備をしてから、面接に臨むようにしてください。

 

-見武さん、ありがとうございました。後編では店舗流通ネット株式会社人事課の渡辺さんにお話を伺います。